会議や打ち合わせで、座る場所が変わるだけで、話しやすさが変わることがあります。
同じ人がいる。
同じ議題を扱っている。
同じ資料も配られている。
それでも、入口に近い席にいると、少し外側にいるように感じる。
正面に座ると、向き合わされているように感じる。
端の席にいると、発言するタイミングが少し遠くなる。
席が変わっただけです。
けれど、その場で自分がどこにいるのかという感覚は、少し変わります。
話の中心に近いと感じることがあります。
見られているように感じることがあります。
まだ聞いていてよい位置にいるように感じることもあります。
その違いは、発言力や性格だけでは説明しきれないことがあります。
場の中で、どこに身体が置かれているのか。
誰との距離が近いのか。
誰の視線が届きやすいのか。
どこからその場を眺めているのか。
それらが変わると、同じ話し合いでも、立ち上がる世界が少し変わります。
話しやすさは、言葉を出す前から始まっているのかもしれません。
席が変わるだけで発言のしやすさが変わるとき、そこには、場の中の立ち位置がつくる見え方の輪郭が現れています。
誰が何を言ったかの手前で、どの位置からその場が経験されていたのか。
その小さな違いを観察すると、組織や教育の場で起きる発言の偏りが、別の形で見えてくることがあります。
この構造は、講演で扱うテーマの一部です。
